外国人観光客向けのガイド?!

ある日、理事の一人から連絡がありました。

「姫路城に来る外国人観光客にipodを使ったガイドをしたいんだけど」

「ipodって何?」

そんな会話をしたのは2005年のことでした。ちょうど大容量携帯音楽機器(いわゆるipod見たいなの)が出始め、「ダウンロード」という言葉が出始めたところでした。

姫路城は世界文化遺産なので、他の観光地のように案内ガイドの看板を設置するのも容易ではありません。美術館のように、その場に立つと自動で音声ガイドが流れるような仕組みも簡単ではない。そんなときに、自分でダウンロードして、好きなときにガイドが流れる超小型コンパクトな「ipod」というものができたのです。

さあ、この実現に向けて…。テキスト作りから始まります。たまたまALTで姫路に来てい歴史好きなAndrewくん、英語ガイド活動をしていた日本人の内山猛雄さん、斉藤靖子さんなどなど、多くの方の汗の結晶で、1年半かけてできたものはA4ファイル100ページを超える大作でした。

作ったものは検証しなければなりません。そんなときに協力してくれたのは、Barry Bashawさんと奥様のKeikoさん。元FENのアナウンサーだったというバリーさんの協力のもと、録音が始まりました。

さて、コンパクトなものにし、音声ファイルを作り、いざダウンロード!

けれど、時代が早すぎた。全く誰もダウンロードはしてくれません。やっぱり人か…。

そこで始まった英語ボランティアガイド育成講座。これが大ヒットでした。男性は60歳以上の定年された方、女性は45歳を超えた子育てが終わった方々が参加され、40名の定員があっという間に埋まりました。

そこから始まった「アイガイドプロジェクト」は、2018年に終了するまでに250名を超える修了生を輩出し、現在もボランティアガイド活動をされています。この活動は、今後の私たちの活動の礎の一つとなり、多くの委託事業の元となりました。

この事業を始めようと言われた今村理事は、2018年に亡くなられました。

「僕の老後の楽しみに、この事業を整えるんだ」

彼の言葉を今でも懐かしく思い出します。そして、今の観光事情を考えるたびに「今村さんなら、なんというかな?」と振り返ったりするのです。


写真は在りし日の今村理事(写真右から2人目)。とても勉強家でそして我々の活動に賛同してくれた一人でした。

電博堂日記

兵庫県姫路市で「まちづくり」を中心に活動するNPO法人姫路コンベンションサポートです。 私たちのミッションは「まちを元気にしたい人を全力でサポートする」日々の活動をお知らせします。

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